(9)ネイチャー・アンド・ソサエティ研究グループ - 日本地理学会

                                         代表者   横山  智 

本研究グループは、2020年日本地理学会秋季学術大会(オンライン開催)において、モンスーンアジアの風土研究グループと共同で「総合的学問領域としての地理学の成果と展望」と題するシンポジウムを開催した。シンポジウムでは、人文地理学の視点から横山 智(名古屋大)、中窪啓介(東京農業大)、佐藤廉也(大阪大)の研究発表、そして自然地理学の視点から水野一晴(京都大)、手代木功基(摂南大)、松本 淳(都立大)の研究発表があり、それに対して自然地理学から小岩直人(弘前大)、人文地理学から池谷和信(国立民族学博物館)がコメントを行った。総合討論の場では、人文地理学者と自然地理学者が一堂に会して、地理学の総合性とはどうあるべきかについての議論を行った。本シンポジウムを通して、これまで希薄であった両者の対話の重要性についてたくさんの意見が出され、多くの地理学者が、自然地理学と人文地理学の統合に関心を持っていることが分かり、すでに成熟段階を迎えている地理学という学問にも、チャレンジすべき課題が多く残されていることを認識することができた。本年度開催したシンポジウムをもって、本研究グループの活動は終了をするが、発起人を中心に、これまでの研究グループでの成果を学会の内外で引き続き発信していく。