(16)環境地理教育研究グループ - 日本地理学会

2007年度活動報告


代表者  朴 恵淑
 2007年度の環境地理教育研究グループの主な活動として、春季及び秋季学術大会での研究会及び公開シンポジウムを行った。
春季学術大会においては、研究グループ発足から一貫して行っている研究レベルでの環境地理学と教育現場での地理教育(主に環境面)とのギャップを埋めるべく、これからの環境地理教育のあり方についてグループメンバー間の活発な意見交換を行った。
秋季学術大会においては、「公害/環境問題を題材とした実践的環境地理教育」をテーマとする公開シンポジウムを行った。本公開シンポジウムは、日本地理学会の会員のみならず、地域の一般市民にも公開することで会場には130人を越える聴衆が集まり、公開シンポジウムの様子は熊本日日新聞(2007.10.6.及び2007.10.8.)に2回掲載されるほど、高い社会的関心を集めた。本公開シンポジウムでは、学術大会の開催地である熊本県で約40年前に発生した水俣病及び四日市喘息に繋がる課題をテーマとして取り上げ、過去の日本の4大公害の教訓を生かした現在、未来の環境と経済とのバランスをはかる持続可能な社会形成のために、地理学はどのような役割を担えるかについて、大学教員と行政、地域住民、環境NPO、中等教育教員との活発な議論を行った。原田正純熊本学園大学教授及び朴 恵淑三重大学教授からの基調講演及び小林伸一大津北中学校教員による学校現場での環境地理教育の現状報告が行われ、「公害の教訓を実践的地理環境教育に生かし、地球温暖化などのグローバルな環境問題の対策を模索する」実践的環境地理教育のあり方を探った。過去の4大公害問題について負の遺産としてではなく、未来への正の資産と替えるべく環境マインドの高い人材育成に必要な実践的地理環境教育についての第一歩を踏み出すことができた。
本研究グループは実践的環境地理教育の有り方を探るために、2008年度においても引き続き、積極的な活動を行う予定である。
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