公開講座(2008年秋季学術大会)

地理教育公開講座委員会主催第15回地理教育公開講座

日時:10月4日(土)13時30分~15時30分

会場:第1会場

講師と演題:
小金澤孝昭(宮城教育大)「持続可能な発展のための教育(ESD)と地理学」

要旨:
国連が2005年1月から,「持続可能な発展(開発)のための教育の10年(ESD)」のキャンペーンを開始した.世界各国で,持続可能な発展のための推進計画が作成され,取り組みが始まっている.国連大学が推進しているESDの地域拠点(RCE)は,世界で70地域が認定されそれぞれの地域性に応じた取り組みが進んでいる.日本でも2006年にESDの推進計画が策定され,環境省,文部科学省,外務省を中心にESD推進施策が取り組まれ,2007年に円卓会議が設置され,国民的運動への拡大が期待されている.教育界においても,新学習指導要領の中に「持続発展教育」が明記され,学校現場での具体化が求められている.
持続可能な発展のための教育の中心課題は,基礎基本学習をベースに,世界的視野で事象を捉え,地域社会を創造できる自律思考のできる人材の育成であろう. この点から見れば,ESDの推進における地理学,とりわけ小中高校における地理教育の役割は重要である.言い換えれば,従来から世界的視点と地域的視点での思考を推進してきた地理学・地理教育は,ESDそのものといえよう.ESD先進地域のイギリスでもこの分野は地理学が牽引している.
本報告では,ESDが主張されてきた背景と,持続可能な発展のための教育の実践事例,さらに地理学からどのように貢献できるのかについて具体的な事例を取り上げながら報告したい.

問合せ先:
吉田 剛(宮城教育大)
〒980-0845 仙台市青葉区荒巻字青葉149
電話・FAX 022-214-3395
e-mail : yoshida@staff.miyakyo-u.ac.jp

コメンテーター:石郷岡信行(県立盛岡一高)・及川敏彦(盛岡市立下橋中)

記録:宮 学(県立盛岡四高)

後援:岩手県教育委員会