お知らせ

2018年春季学術大会:「英文叢書出版セミナー」の開催について

開催趣旨:日本地理学会では,地理学研究の振興と国際社会への貢献を目的として,英文叢書「International Perspectives in Geography: AJG Library」を刊行しています.このセミナーでは,英文叢書出版事業の概要について詳しくご説明するとともに,英文叢書を出版するに当たって英語での執筆に役立つヒント,また国際学術出版業界における電子書籍出版の最新事情について御紹介いたします.

日時:2018年3月23日(金)13:00~14:30

会場:東京学芸大学(S棟)S206教室

詳細

高等学校・次期学習指導要領(案)のパブリックコメントについて

文部科学省では,2月14日から3月15日まで,高等学校・次期学習指導要領(案)に関するパブリックコメント(意見募集)を行っております.

御承知のように,教科「地理歴史」では,平成34年度から必修科目として「地理総合」,そして選択科目として「地理探究」が誕生し,大幅な改訂が予定されております.会員におかれましては,下記のホームページの該当部分を御覧のうえ,積極的に御意見を提出くださると幸いです.

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000958&Mode=0

大学のサーバー等からはセキュリティの関係でweb集計システムにアクセスできない場合があります.また,複数のご意見をお送りいただける場合は,以下のようにメールで御意見をお送り下さい.

電子メールアドレス:shidouyouryou@mext.go.jp

(判別のため,件名は「学校教育法施行規則の一部を改正する省令案について」または「高等学校学習指導要領案について」として下さい.また,コンピュータウィルス対策のため,添付ファイルは開くことができません.必ずメール本文に御意見を御記入下さい.)

【意見提出様式】

以下の項目を記載下さい.

・件名(「学校教育法施行規則の一部を改正する省令案について」又は「高等学校学習指導要領案について」のいずれか)

・氏名(法人又は団体の場合はその名称)

・性別(法人又は団体の場合は記載不要)

・年齢(法人又は団体の場合は記載不要)

・職業(在学中の場合は「高校生」「大学生」など在学する学校段階を記載.法人又は団体の場合は「団体」と記載)

・住所(法人又は団体の場合は主たる事務所の所在地)

・電話番号

・意見

・意見の分類番号(下記参照)

※ 御意見が1000字を超える場合,その要旨を別途記載して下さい.

※ 複数の論点について御意見をお寄せいただく場合には,とりまとめの都合上,論点ごとに別葉として下さい.(1枚1意見,1メール1意見として下さい.)

分類番号

① 「学校教育法施行規則の一部を改正する省令案」に関すること

② 「高等学校学習指導要領案」全体に関すること

③ 「高等学校学習指導要領案」【第1章総則】に関すること

④ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第1節国語】に関すること

⑤ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第2節地理歴史】に関すること

⑥ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第3節公民】に関すること

⑦ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第4節数学】に関すること

⑧ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第5節理科】に関すること

⑨ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第6節保健体育】に関すること

⑩ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第7節芸術】に関すること

⑪ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第8節外国語】に関すること

⑫ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第9節家庭】に関すること

⑬ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第10節情報】に関すること

⑭ 「高等学校学習指導要領案」【第2章第11節理数】に関すること

⑮ 「高等学校学習指導要領案」【第3章主として専門学科において開設される各教科】に関すること

⑯ 「高等学校学習指導要領案」【第4章総合的な探究の時間】に関すること

⑰ 「高等学校学習指導要領案」【第5章特別活動】に関すること

⑱ その他

国立民族学博物館開館40周年記念シンポジウム「民族誌コレクションの役割とその未来――人間の理解にむけた博物館の挑戦」開催

開館40周年記念シンポジウム「民族誌コレクションの役割とその未来――人間の理解にむけた博物館の挑戦」が,3月25日(日)13時30分~16時30分,国立民族学博物館講堂で行われます.詳細については,下記アドレスを御参照下さい.詳細 URL http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/news/rm/20180325

2018年春季学術大会:タイムテーブル

2018年春季学術大会:会長講演のお知らせ

下記の通り会長講演を行いますので多数御参加下さい.

1.日 時 3月22日(木)17時~17時45分

2.場 所 東京学芸大学S棟第10会場(S410教室)

戸所 隆(高崎経済大学名誉教授):知識情報社会への転換を妨げる日本の地域システムと地理学界への期待

 私は過去50年にわたり大学を拠点に都市地理学を中心に研究をしてきた.この50年間の前半で日本は最先端の豊かな工業社会を構築したが,その後の知識情報社会への転換は遅々としている.その要因として縦型から横型へ構造転換できない日本人の意識や地域社会システムがあり,その改善における地理学の役割は大きい.本講演では研究を通して認識した地理学の重要性・役割と特に地理学界への期待を述べたい. 私の地理学研究は都市化による都市構造の変化を動的把握する都市空間の立体化研究から始まり,今日までの私の研究基盤になっている.すなわち,都市機能・人口の集積や高度化は市街地の外延的拡大とともに都心の立体的再開発を促し,水平的機能分化と同時に垂直的機能分化を惹起させ,都市・都市圏構造が再構築される実態を明らかにできた.また,以上の都市圏全体の機能配置やその動向から構造変化を俯瞰的に捉えることで,都市圏内ネットワークの構造変化を見出すことができた.

 日本の国土構造・都市システムは東京を最上位とする垂直統合型であり,中央集権政治体制のもと先進諸国を追尾する高度経済成長期には効率良い構造であった.しかし,1980年代後半から垂直統合型国土構造の中で,都市を分節化・ダウンサイジングして個性化(分都市化)と水平ネットワークで構造転換する動きが京阪神で見られた.また,東京の副都心も都心化し,都心-副都心-副副都心と階層化した構造から新宿・池袋・渋谷・品川などが自立性を高めダウンサイジング・ネットワーク構造に転換してきた.この構造はコンピュータ・ネットワークと同じである.そこで規模の大小,中心と周辺はあるが,上下関係のない水平ネットワーク型の「大都市化・分都市化型都市構造」に再構築される概念を創出した.この概念は個性あるまちづくりやコンパクトシティ形成,分権型合併を理念とした平成の大合併や国土政策にも活用している.

 知識情報化社会の地域システムにはコンピュータ・ネットワークに適した構造が求められる.経済システムや経済活動の活発な大都市圏構造は,情報化・国際化の動きに対応して大都市化・分都市化型に転換することで一定の成長を見た.しかし,農業文化時代の首都・京都,工業文化時代の首都・東京から脱却して情報文化時代の新しい首都を創造する国土構造改革は頓挫している.その結果,東京一極集中・地方衰退問題が解決できず,既存国土基盤も充分に活かせずに国際社会での日本の地位低下を招いている.この大きな要因として階層型固定電話システムに代表される垂直統合型の地域社会システム・国民意識・開発哲学があると考える
日本がバブル崩壊以降の失われた20年から脱却できないのは,国土構造をはじめ多くの地域社会システムが従前の閉鎖型垂直ネットワークで,システム相互間にミスマッチが生じるためと考える.再成長には地域社会システムや国民意識を開放型水平ネットワークに転換させる必要があり,地理学の果たす役割が大きい.

 地理学は人文・自然分野がそれぞれ高度にダウンサイジングしつつ専門分化し,それらが相互に協力して多様性ある地域現象を時空間的・俯瞰的に総合化して新しい価値・考えを創出している.今日の学問が極端な専門分化により全体像を見失う中にあって,地理学会は大都市化・分都市化型都市構造同様に分都市にあたる都市・経済・歴史地理学や地形学・水文学などを水平ネットワークするプラットフォームとして地理学の価値を高めてきた.しかし,地理学の社会的有意性・認知度の向上には研究者・起業家・出資者・実務家(開発・製造・販売など)の集うプラットフォームの更なる強化が必要となり,地理学会の改革が求められる.また,地理学界の総力で多くの大学に地理学部を創設し,地理学の見える化を図ることが期待される.