地理学評論和文号第80巻(2007年)には,論説18編,総説2編,短報9編,資料1編,討論1編,あわせて31編の論文が掲載されました.これは昨年(28編)に比べ3編増えたことになります.
掲載論文の分野別内訳では,自然地理関係5編,人文地理関係26編となっています.昨年,一昨年は自然地理関係の論文が,それぞれ10編,6編ありましたので,本年の自然地理関係の掲載論文の激減は,非常に憂慮すべきことです.自然地理関係者の積極的な投稿を切に期待します.
次に,掲載論文の筆頭執筆者を年齢別にみると,1930年代生まれが1名,1950年代生まれが2名,1960年代生まれが4名,1970年代生まれが19名で,1980年代生まれが4名となっており,1970年代以降生まれが全体の4分の3を占めました.
掲載論文が投稿から受理までに要した期間についてみますと,個人差がかなりあります.新規投稿後,第1回の修正原稿の提出までに1年以上を経過し,結果的に受理まで約3年を要したものがある一方で,投稿から2カ月で受理された例もあります.投稿者の中には大学院生が多いですが,受理までの期間を短縮する最も効果的な方法は,できるだけ論文の完成度を高めてから投稿することです.なかには文章や形式面での不備が目立つものもみられ,閲読者の評価も低くなり,掲載までに余計な日数を費やしてしまうことになります.投稿される場合には,事前に指導教員などしかるべき方に論文のチェックを受けた上で投稿される方が,結果的に受理までの日数を大幅に短縮することができます.
会員各位
前略
早速ですが、文部科学省において、中央教育審議会の「審議のまとめ」が出され、現在そのまとめに対する意見を募集しています。
高校においては、地理の履修者が減少し高校生の半数は地理を学ばないまま卒業しています。今年度は、世界史の未履修問題が顕在化して、更に地理の履修者は減少しています。そのため、社会人として不可欠な地理的素養、空間的な思考力や地図を読む力等々を身に付けさせる機会が益々失われつつあるのが現状です。
かねてより、日本地理学会では、文部科学省などに地理教育の重要性を訴えて来ましたが、今回の改訂では高校の地理歴史科の履修形態は現行どおりとなるなど、地理教育の振興がはかられているとは言えない状態です。
そこで、皆様方に、是非、今回の文部科学省の意見募集に応募して、個人の自由な立場から「審議のまとめ」の内容に関して意見を述べて頂きたくメールを差し上げた次第です。
意見募集に寄せられる、パブリックコメントは昨今の事情では無視できない存在になっています。国民の意見を聞くという趣旨ですので、皆様の周りの方々にも、例えば家族、地理以外の先生方、子供の教育に関心のある生徒の保護者の方々にも呼びかけて、是非、様々な立場の個人の意見が数多く寄せられるようご尽力頂ければと思っています。
どうぞよろしくお願い致します。
草々
●論 説
18世紀における地図収集のネットワーク-大坂天満宮祝部渡辺吉賢を中心に-
上杉和央・823-841
オルソ化航空写真の年代間比較による山地湿原の植生変化の検出
安田正次・ 大丸裕武・沖津 進・842-856
●短 報
地理的分断条件を伴う市町村合併が及ぼす高齢者福祉サービスへの影響
-群馬県沼田市を事例に- 畠山輝雄・857-871
●資 料
オクタヴィア・ヒルと国会議員との結び付き-オープン・スペース運動の
発展への寄与- 中島直子・872-883
●書 評
恒川篤史編:21世紀の乾燥地科学-人と自然の持続性-(吉野正敏)・
884-885
鳴海邦匡:近世日本の地図と測量-村と「廻り検地」-(小野寺 淳)・
885-886
織田武雄先生の御逝去を悼む・i-ii
学界消息・iii-iv
会 告・表紙2およびv-viii
2008年春季学術大会のお知らせ(第2報)・v-vii